母乳育児中に気付いたしこり、もしかして「乳がん」!?
授乳期間中は、乳房ケアをしたり搾乳したりするので普段より乳房に触る機会が増えます。
そんな時、胸にしこりを発見して驚くことがあります。
「もしかして、乳がんでは…」と不安に感じることでしょう。
乳がんは日本女性に多く発症し、最近の研究では30人に1人の割合で発症すると言われています。
閉経後の50代~60代の発症率が高いのですが、中には若くして患う方もおられます。
突然気が付いた胸のしこり、怖いですよね。
焦らずにまずは乳がんの特徴を詳しくみていきましょう。
乳がんの特徴:しこりに痛みが伴わない
母乳育児中は乳がん以外のしこりもできやすい状態です。
それらのほとんどは健康に何ら問題のないものですので放置していてかまいません。
しかし、乳がんであった場合は転移する前に早く治療を受けなくてはいけません。
乳がんは進行が早いので命にかかわることもあるのです。
一般的に、乳がんと他の良性のしこりとの見分け方は、触れた時に痛みがあるか無いかです。
乳がんのしこりは、「痛みを伴わない」ことが大きな特徴です。
そして、しこりが「できた場所から移動しない
こと、しこりが成長して「大きくなること」も特徴です。
感触は硬くゴリゴリしており、どの方向から触っても硬くてつぶれません。
触ってみて何ともないのに明らかに大きくなってきているしこりであれば、速やかに病院で検査を受けてください。
自己判断は危険なのでよくわからない場合も病院へ行きましょう。
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授乳中も乳がん検診を受けるべきか
最近は授乳中でも検診を受ける方が増えてきています。
乳がんは早期発見・治療が推奨されているためです。
しかし、授乳中は乳腺が発達しているので、検査が正確にできない場合があります。
脇にしこりがあって心配な場合は乳腺外科で超音波検査を受けることができます。
医療機関は、授乳中の乳がん検診を特に推奨していませんので、授乳期間が過ぎたら受けてみるとよいかもしれません。
ちなみに、検診で乳がんが発見される授乳中のお母さんもいらっしゃるので、不安であればぜひ受けておきましょう。
乳がんと間違えやすい乳腺炎
授乳中は乳腺炎にかかるお母さんがが非常に多いです。
乳腺炎は母乳が乳腺に詰まってしこりとなることで発症します。
しこりは柔らかいですが、胸全体がガチガチに張って激しく痛みます。
特にしこり部分が熱を持ち腫れて痛みます。
(軽い詰まりの場合は大して痛みません。
)乳腺炎はしこりが柔らかく、痛みがあるので乳がんではありません。
乳腺の詰まりが取れたらしこりは消え、胸の張りが解けると共に痛みもなくなります。
そのためには赤ちゃんにせっせと母乳を飲んでもらい詰まりを取ってもらう必要があります。
授乳前に、しこりのある胸を蒸しタオルで温めてマッサージをしてから赤ちゃんに飲ませると効果的です。
乳腺にばい菌が入って炎症を起こす、急性細菌性感染症の乳腺炎もあります。
これにかかると母乳に膿が混じり、熱が出ます。
この場合は自分では処置できないので病院に行きましょう。
授乳中は乳がんのリスクが低下するって本当?
「授乳中はがんにかからない」というのは誤解です。
しかし、授乳中のお母さんが乳がんを発症する確率は極めて低いという研究結果が出ています。
患者全体だと「1%」以下で、発症の確率は子供を1人産むごとに7%下がり、1年授乳することで4.3%下がるとされています。
つまり、母乳育児をしているお母さんの方が人口ミルク育児をしている方よりも乳がん発症率が低いということになります。
母乳育児をすることで赤ちゃんは栄養と免疫抗体がたっぷり含まれた母乳を飲むことができ、お母さんは乳がんの発生率を抑えられるのですからまさに一石二鳥ですね。
乳がんは発症すると病状の進行が早く、命の危険も伴う病気です。
そのため早期発見・治療が推奨されていますが、授乳中の検診では発見できないことがあります。
しかし、授乳中の発症率はそれ以外に比べると非常に低いので、早期発見できないからと授乳を止めるべきではありません。
継続的に母乳育児を行った方がリスクを減らすという面で有効です。
つまり、母乳育児は乳がんになりにくいのです。
赤ちゃんは思ったより早く卒乳します。
それまで、ゆっくりと母乳育児を楽しんでください。
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