出産という大仕事を終え、待望の赤ちゃんを迎えたママは幸せの絶頂であると思われがちです。
しかし、実際のところはそうではないのです。
もちろん、赤ちゃんを迎えられたこと自体は嬉しく幸せだと思っているのですが、その一方で、不安やイライラ、落ち込んだ気持ちがムクムクと膨れ上がって来て、押しつぶされそうになってしまうママがとても多いのです。
この症状は「マタニティブルー」と呼ばれます。
産後ママの半数が経験するというデータもあるほど、頻繁におこる事態なのです。
一体この「マタニティブルー」を引き起こす原因は何なのでしょうか。
また、どのような症状が出るのでしょうか。
産後ママにぜひ知っておいてもらいたい「マタニティブルー」と、その対処方法について紹介します。
マタニティブルーってどんな症状?原因は?
マタニティブルーは、産後すぐのママが経験する軽いうつ症状です。
具体的には、イライラや気分の落ち込みなどの症状が現れます。
わけもなく不安になったり、普段は気にならないちょっとした言葉にも気づいたりします。
他にも、寝つきが悪かったり、やる気が出ない、食欲がなくなるなど、うつに似た症状が現れることもあります。
マタニティブルーは、出産後3~5日が症状のピークだと言われています。
症状が現れる期間は比較的短く、10日前後で自然におさまってくることが多いようです。
同じような症状で「産後うつ」というものがありますが、こちらは症状が現れる期間がもっと長く、2週間以上続き、病院での治療が必要になることも多いものです。
なぜマタニティブルーになってしまうのかというと、妊娠・出産を機に、女性ホルモンの分泌量が大きく変化するからです。
ホルモンバランスが大きく変化すると、情緒不安定になってしまうのです。
生理前でもイライラしたり情緒不安定なりがちですよね。
それと同じなのです。
出産後は、ホルモンバランスが大きく変化することに加え、自分の生活スタイルも大きく変化します。
出産直後からいきなり赤ちゃん中心の生活が始まります。
予想と覚悟をしていたとはいえ、実際に赤ちゃん中心の生活をするのは大変ですよね。
特に産後は体調も完全に回復しているわけではありませんから、余計に負担を感じるママも多く、イライラに拍車をかけてしまうのです。
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マタニティブルーを乗り切るには夫の手を借りよう
マタニティブルーになると、一番の味方であるはずの夫にすらイライラしてしまいます。
それは、赤ちゃんを守るための本能的な要因もありますが、産後の大変な時期に、夫にママが期待するようなサポートをしてもらえないことが大きな原因になっているようです。
しかし、家事育児を一人で抱え込むのは負担が大きすぎますし、マタニティブルーを悪化させる可能性だってあります。
一番近くにいる夫に理解してもらい、手伝ってもらうことがマタニティブルーを乗り切るためには重要なんですよ。
まずは、自分のして欲しい事を、夫が察してくれるよう期待するのではなく、「食事の支度の間は抱っこしてあやしてて」「掃除機をかけるのを手伝って」など、具体的にお願いしてみましょう。
男性は女性に比べると気持ちを想像して行動するのが苦手だと言われています。
家事育児を手伝ってくれない夫も、面倒だからやらない、協力する気がないというわけではなく、何をすれば良いのか分からないだけということもあります。
具体的に言うと、案外快く手伝ってくれることもありますよ。
また、女性はママになるために、妊娠中から育児について調べたり医師や助産師と話したりして、それなりに知識をつけていますが、夫の場合はそうではありません。
産後はすぐに妊娠前の身体に戻ると思っている人もいるし、赤ちゃんはミルクとおっぱい以外の時間はほとんど寝ていると思っている人すらいます。
ママだって、妊娠・出産を経験するまでは知らなかったことも多いですよね。
夫に理解してもらうためには、育児を経験することもそうですが、ママが一つ一つ教えてあげることも大切です。
「わかってよ!」ではなく、赤ちゃんや産後の自分のことを理解してもらえるよう、すこしずつ伝えていきましょう。
そうすることで、「理解のある夫」に変身してくれるかもしれません。
そうなってくれたら、大変さを共有することができますから、きっとマタニティブルーを乗り越えることができますよ。
最悪は離婚も!マタニティブルーを乗り切る方法は?
産後ママの多くが経験するマタニティブルーですが、侮ってはいけません。
最悪の場合、マタニティブルーがきっかけで夫婦関係が上手くいかなくなり、離婚に発展することもあります。
実際に、子供のいる夫婦の離婚率を見た場合、子供が0~2歳の頃に離婚する夫婦が一番多いのです。
そうならないために、夫や家族の理解と協力を得る事も大切ですが、自分自身でも工夫してみましょう。
マタニティブルーは、何事もきちんとやりたいという真面目な性格の人に多いと言われています。
それはやはり、家事や育児を全てやろうとして自分を追い込んでしまうことが原因でしょう。
家事や育児をきちんとやりたい。
家が汚れているのは嫌だし、母乳のためにも健康的な食事を作りたい。
夫のこともほったらかしにはできない。
赤ちゃんを泣かせっぱなしになんかしたくない。
いつもニコニコの良いママでありたい。
理想はそうです。
でも、実現するのは物理的に無理なんです。
できない事は素直に周りの力を借りることが、マタニティブルーを乗り切るためには飛鳥不可欠。
やり方が自分と違っても、「まあ良いか」と目をつむり、しばらくは自分を回復させることに専念してください。
また、赤ちゃんを少しの間預けて息抜きをすることも、悪い事ではありません。
たまにはパパやおばあちゃんに赤ちゃんをお願いして、ストレスを発散させてくださいね。
まとめ
マタニティブルーは産後の女性の半数近くが経験すると言われており、決して珍しいものではありません。
しかし、最悪の場合はマタニティブルーが原因で離婚に発展することもあるので侮れないものです。
マタニティブルーを乗り切るには、周囲に協力してもらうことが不可欠です。
すべてを自分でこなそうとするのではなく、できないことや負担の大きい事は夫や家族に手伝ってもらって、自分の負担を減らすように心がけましょう。
マタニティブルーを乗り切って、赤ちゃんとの生活を楽しみたいですね。
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