現在、アトピー性皮膚炎(通称:アトピー)の患者が増えています。
アトピーは、皮膚のアレルギー反応によって炎症が起こり、強い痒みを伴ったり、肌が乾燥してカサカサになったりします。
特に赤ちゃんの肌はデリケートで繊細なため、よく湿疹ができますが、生後4~6ヶ月頃からの赤ちゃんが、赤くジュクジュクした湿疹が2ヶ月以上続くと、アトピーと診断されます。
アトピーは体質や遺伝が大きく影響するので、完治させるのは難しいですが、肌をケアすることで、症状を抑えることができます。
赤ちゃんのアトピー予防に保湿剤
赤ちゃんのアトピーの予防に、効果的なのが保湿です。
国立成育医療研究センターが行った実験によると、全身に保湿剤を塗った場合のアトピーの発症リスクが、何も塗っていない場合よりも3割下がったそうです。
アトピーは遺伝以外にも、食物アレルギーやダニ・ハウスダストアレルギーや、乾燥による肌のバリア機能の低下も原因とされています。
特に赤ちゃんは大人と比べて肌が薄く、肌のバリア機能が弱いです。
乾燥によって傷ついた皮膚から、食物やダニなどの抗原などが体内に進入すると、体が悪い物が入ってきたと思い、アレルギー反応が起こります。
ですので、乾燥を防ぎ、皮膚からの抗原の進入を防ぐことが、アトピーの発症率を下げることに繋がるのです。
赤ちゃんの場合は肌を清潔にし、保湿剤を塗って乾燥を防ぎます。
特にお風呂上がりは乾燥しやすいのでしっかりと保湿しますが、それ以外にも1日に2~3回、保湿剤を塗って乾燥を防ぎましょう。
湿疹が治まって、乾燥をしていないように見えても、そこで保湿ケアを辞めてはいけません。
またすぐに発症してしまうこともあるので、よくなっても毎日ケアをしてあげましょう。
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赤ちゃんのアトピーにおすすめ保湿剤は?
赤ちゃんの保湿としてよく聞くのが、「ワセリン(プロペト)」と「ヒルドイド」です。
これらは保険が適用し、小児科などで処方されます。
これらの特徴をまとめてみました。
ワセリン(プロペト)
皮膚の保護剤としては優秀。
しかし保湿成分は含まれていないため、アトピーの発症予防は他の保湿剤より低い。
ヒルドイド
天然保湿因子の一つ「ヘパリン類似物質」の保湿剤で、アトピーの保湿剤としてはとても良い。
皮膚トラブルを起こす可能性は少ないが、合わない人も少なからずいる。
以上のことから、アトピー予防に着目して保湿剤を選ぶなら、ヒルドイドが良いようです。
ですがヘパリン類似物質には、血行促進作用があり、荒れている皮膚に使うと、火照りや痒みをひどくさせるデメリットがあるようです。
また、皮膚が薄くたくさんの血管がある顔にはヒルドイドは向いていません。
私の子供も赤ちゃんの時、肌の乾燥がひどく、ジュクジュクした湿疹ができてしまったり、とても痒そうにしていました。
そこでかかりつけの小児科で処方されたのが、やはりヒルドイドでした。
ですが、すでに湿疹ができていたり、ジュクジュクしてしまっている部分には、ステロイド剤を塗り、しっかりと症状を治すことが大切だと言われました。
ステロイド剤は医師の指導のもと正しく使用し、保湿は毎日続けました。
まだ赤ちゃんの時にしっかりと治したことが良かったのか、今子供は4歳ですが、今でも時々乾燥気味になることはありますが、湿疹などはほとんどできなくなりました。
ですが、お風呂上がりの保湿ケアは今でも続けています。
私は子供にプロペトも使用していて、主な使い方としては、食事する前に口の周りに塗って、唾液や食べ物の刺激が肌の荒れている部分に付かないように、保護剤として使っていました。
赤ちゃんのアトピーは、乳児湿疹との区別が付きづらいため、必ずかかりつけの小児科を受診し、正しい薬を処方してもらいましょう。
ですが、なかなか病院に行けなかったり、すぐに保湿剤を手に入れたかったりするときは、市販のものを使うこともありますよね。
市販の保湿剤を使うときは、
- 防腐剤が入っていない。
- 保湿成分が入っているもの。
- 食物アレルゲン(食物エキス)が入っていない。
以上のことに気をつけてください。
食物アレルゲンが含まれていないものにするのは、先ほど述べた通り、アトピーの原因が、皮膚から抗原が進入し続けると体がアレルギー反応を起こすためであり、それを防ぐためです。
保湿成分は合成セラミドが良いそうです。
セラミドとは皮膚の水分を保持する働きがありますが、セラミドの少ない赤ちゃん肌は、カサカサしたり服が擦れたりする刺激で、皮膚が炎症を起こしてしまいます。
セラミドには合成セラミド、天然セラミド、合成擬似セラミドがありますが、保湿には合成セラミドがいちばん良いそうです。
赤ちゃんの肌が真っ赤に荒れて痒そうにしているのは、見ているだけで辛くなりますよね。
アトピーは遺伝の影響が大きいためなかなか完治させることは難しいですが、親ができる保湿ケアで、できるだけ症状を抑え、毎日健やかに過ごせるようにしてあげたいですね。