出産を終えてようやく体調が落ち着くかと思いきや、出血が続いて驚いたママもいるのではないでしょうか。
特に出産直後は生理よりも多い量の血が出るのでびっくりしてしまいますよね。
この出血も、通常は身体が回復していくに従って量が減り、産後1か月程度で止まります。
しかしながら、様々な理由で産後の出血が止まらない場合があります。
出血が止まらないと心配になってしまいますよね。
ただ、出血が長引いても、心配のいらないケースも多いものです。
ただ、それが異常のサインで、婦人科を受診した方が良いケースもあります。
今回は産後の出血が止まらない時の不安を払しょくするために、心配が要らないケースと、異常のサインかもしれないので病院を受診すべきケースについて紹介したいと思います。
産後の出血が止まらない原因
産後に続く出血は「悪露」と呼ばれるものです。
悪露は、出産時に排出しきれなかった胎盤の残りや卵膜、子宮内膜などと、血液やリンパ液が混じったもののことです。
個人差こそありますが、通常は出産直後から徐々に量が減少していき、産後3週間~4週間程度で出血はおさまります。
産後1ヶ月検診の頃にはおさまっていることが多いものです。
色も、出産直後は鮮血状ですが、徐々に茶色っぽくなり、それがクリーム色へと変化し、最終的には透明のおりもののような状態になっていきます。
このような経過をたどらず、産後の出血がなかなか止まらない理由としてはどの様なことが考えられるのでしょうか。
原因を見ていきましょう。
個人差によるもの
悪露がどのくらい続くかは個人差が大きいものです。
中には悪露の出る期間が短く、2週間程度で終わってしまう人もいます。
逆に悪露がなかなか止まらない人もいて、2ヶ月ほど続くことも珍しくはありません。
悪露は子宮が収縮することによって排出され、子宮が妊娠前の状態に近づくにつれ出なくなっていきます。
ただ、出産時に受けた身体のダメージは人それぞれであり、それにかかる回復期間も人それぞれなのです。
重要なのは、悪露の期間よりも、出血の量が徐々に減り、色が赤から茶色、クリーム色へと変化するという経過をたどっているかどうかです。
この経過をたどっていれば、少しくらい悪露が長引いても心配いらないケースがほとんどです。
帝王切開が原因
産後3週間程度で悪露が終わるというのは、自然分娩だったママの場合の話です。
帝王切開で出産したママの場合は、悪露の期間が長くなる傾向があります。
2ヶ月程度悪露が続く事が多いようです。
これは、帝王切開は手術によって子宮を開くので、子宮の収縮が妨げられることや、傷口から出血している間は悪露が出続ける為です。
この場合は、悪露の量が徐々に減り、色が正常に変化していればあまり心配はいりません。
疲れやホルモンバランスの乱れの影響
悪露は身体の回復具合を見るバロメーターでもあります。
当然、身体の回復が遅れれば悪露も長引くわけです。
例えば、産後に赤ちゃんのお世話を頑張り過ぎたり、上の子がいてゆっくり休めなかったりして疲労が蓄積すると、身体の回復にも時間がかかり、悪露もなかなか止まりません。
ストレスを強く感じていると、ホルモンバランスが乱れて悪露が長引くこともあります。
産後はただでさえホルモンバランスが不安定なので、ちょっとしたことでもバランスが乱れやすいのです。
子宮の回復を早め、悪露をとめるためにも、赤ちゃんのお世話をしている時以外はできるだけ休む、眠るように心がけましょう。
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出血が止まらない時に考えられる病気
産後の出血がなかなか止まらない時も、その多くは心配の要らないもので、経過観察をしていればいずれとまることが殆どです。
しかしながら、中には病院を受診した方が良いという心配なケースもあります。
どのような場合か見ていきましょう。
子宮復古不全によるもの
通常、妊娠時に大きくなった子宮は産後に徐々に収縮して元の大きさに戻っていきます。
しかし、何らかの原因で子宮の大きさや硬さが元に戻らず、様々な不調を引き起こすことがあるのです。
このような時に、産後の出血がなかなか止まらない、鮮血が出続けるなどの症状が出ることがあります。
悪露がなかなか止まない場合、悪露が身体の中に長い期間放置され、感染症を起こしてしまうことがあります。
感染症を起こすと発熱や全身状態の悪化などを引き起こし、きちんと治療しないと重症化することだってあるのです。
子宮復古不全の原因を自力で取り除くのは難しいので、悪露が止まらないなどの自覚症状が出たら、医師に相談するようにしましょう。
また、自分でできる予防法があります。
・排尿・排便を我慢しないこと
・医師から許可が出たら歩くなどして適度に身体を動かすこと
・赤ちゃんにおっぱいを吸わせること
こうすることで、子宮が収縮するのを促すことができますよ。
細菌感染によるもの
細菌に感染したことが原因で悪露が止まらないこともあります。
細菌に感染すると、悪露が一時はおさまってきたのにまた量が増えたり、いったん止まったのにまたすぐ出血が再開するなどの症状が出ます。
また、通常の悪露は生理の時のような生臭いにおいがするのですが、細菌に感染すると臭いがきつくなり、不快な臭いになります。
発熱を伴うこともあります。
細菌感染は、産後の導尿などが原因で起こります。
産後のママは体力を消耗しているので、免疫が落ちて細菌感染しやすくなっているのです。
細菌感染した場合は、病院での治療が必要になります。
悪露の出血や臭いに変化が見られた場合は、病院を受診するようにしましょう。
まとめ
産後の出血は誰にでもあるものです。
自然分娩でも帝王切開の場合でも起こります。
出血の期間は目安こそあれ個人差が大きいもの。
量が徐々に減っていき、色が赤から茶色、クリーム色へと変化していっていれば、たいていの場合は問題ありません。
神経質にならず、様子をみてみましょう。
ただし、鮮血が長く続く、量が減らない、臭いがきつい、発熱を伴うなどの異常が見られた場合は、子宮復古不全や細菌感染の可能性があります。
産後は赤ちゃんのお世話があるので外出しづらいものですが、少しでも「おかしいな?」と思ったら病院を受診してくださいね!