妊娠、出産を経験すると、女性の身体は大きく変化します。
中に不調のサインなのかそうでないのか判断がつかずに悩むような変かもありますよね。
その中のひとつが、おりものの変化です。
膣や子宮などの女性器は、妊娠出産にダイレクトにかかわってくる部位なので、変化が起きても不思議ではありません。
ただ、デリケートな部分なので、異変を感じても、家族に相談したり、病院を受診したりするのをためらってしまうという人も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は産後のおりものが臭いと感じた時に、どんな匂いであれば問題なく、どのような場合は注意が必要なのかについてまとめてみたいと思います。
産後1ヶ月のおりものの匂いは悪露の匂い?
出産を終えても、産後暫くは「悪露」と呼ばれる出血が続きます。
これは、出産の時に出た胎盤の残りや、子宮内膜のかけら、卵膜やリンパ液などが混じったものです。
悪露が出てしまわないと子宮の中が綺麗にならないので、悪露は排出された方が良いんですね。
悪露は、はじめは量が多く、経血に似た赤い色をしていますが、子宮が収縮して妊娠前の状態に近づくにつれ、量が減り、色も変化していきます。
産後3週目頃になると、悪露は血液のような赤や褐色ではなく、通常のおりもののような黄色っぽい色や白色、透明へと変化していきます。
それに伴い、臭いも血液特有の鉄の様な匂いから、生臭いような匂いに変化していきます。
悪露が完全に終わるまでの期間は個人差が大きいですが、産後1カ月程度は続く事が多いので、悪露の匂いも、徐々に減りますが残ることは珍しくありません。
明らかに臭い、匂いがきつくいつまでもマシにならないということでなければ、産後特有の悪露の匂いである可能性が高いので、悪露がおさまれば匂いもおさまるでしょう。
あまり気にし過ぎず様子をみてください。
匂いがどうしても気になる場合は、こまめにナプキンやおりものシートを交換したり、洗浄便座のビデを使って清潔に保つように心がけましょう。
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産後のおりものが臭いのは病気のサイン?
産後のおりものの匂いが妊娠前と少し違う程度なら問題はないことが多いものです。
ただ、匂いの感じ方は個人差がありますよね。
どのような匂いでどのような状態である可能性があるのか、確認してみましょう。
悪露の匂いが臭い場合
産後の悪露は、血液特有の匂いがするというのは前述の通りです。
生理の経血に似た匂いがすると感じる人もいるようです。
このような場合は問題ないと思って良いでしょう。
ただ、明らかに臭いという場合は注意が必要です。
また、匂いが臭いだけでなく、日数が経っても悪露の量が減らない、血液状のままで褐色や黄色などのおりもの状にならないといった場合は、子宮の収縮がうまくいかず、子宮復古不全を起こしていることがあります。
このような場合は子宮内の残留物を取り除く処置などが必要なることもあるので、病院を受診するようにしましょう。
匂いが臭いことに加えて、発熱などの症状が見られる場合は細菌感染を起こしている可能性があります。
この場合も病院を受診し、適切な処置をしてもらいましょう。
産後のおりものの匂いが生臭い場合
産後におりものの匂いが強くなったと感じる女性も少なからずいます。
ホルモンバランスが変化することにより、異常がなくても匂いが強くなることもありますが、生臭く魚が腐ったような強い匂いになった場合は注意が必要です。
ホルモンバランスが崩れると、膣内環境が悪くなります。
抵抗力も落ちてしまい、細菌性の膣炎になってしまう場合があるのです。
細菌性膣炎は、性感染症とは別物です。
膣やその周りには、もともと細菌が存在しています。
本来は、膣の中にいる善玉菌によって膣が酸性に保たれ、細菌から膣を守っています。
しかし、産後のホルモンバランスが乱れ、抵抗力が落ちている状態では、細菌が繁殖して炎症を起こしてしまうのです。
細菌性膣炎を起こすと、匂いが生臭くなるほかにおりものの量が異常に増えるなどの症状が見られます。
このような症状が見られた場合も、病院を受診して治療を受けましょう。
膣内を洗浄したり、膣剤を使って菌を減らすことで症状をおさえることができます。
産後のおりものが臭く、色がついている場合
産後のおりものがとても臭いというだけでなく、黄色や黄緑になっている場合や、おりものの量が異常に多い場合は性感染症の可能性もあります。
性感染症には、トリコモナス膣炎や淋病、クラミジア感染症など様々な種類があります。
これらはいずれもおりものの色や量が変化するなどの異常がみられ、匂いも臭くなります。
下腹部の痛みや、発熱、かゆみを伴うこともあります。
性病の場合は、悪化すると不妊や子宮外妊娠の原因になりますし、子宮内膜症などの卵管炎などの症状を引き起こすこともあります。
非常に怖い病気なのです。
性病というと、性交渉をきっかけに感染するというイメージが強いかと思います。
確かに、一番多い感染経路は性交渉なのですが、タオルを共用したり、便座を介してうつったり、お風呂で感染することもあります。
また、口を介して感染することもあるので、産後、性交渉を再開する前でも性感染症になることがあります。
性感染症の場合は自然に完治することがないため、医療機関で治療することが重要です。
性病検査というと躊躇する人も多いかと思いますが、おりものに異常を感じたら、早めに病院を受診するようにしてくださいね。
まとめ
産後、妊娠前と比べておりものの量が増え、匂いが強くなることがあります。
これはホルモンバランスの変化が原因であることが多く、ホルモンバランスが整う産後1年程度で落ち着くことが多いようです。
少し匂いが強い程度で、他に症状がなければ、様子をみても大丈夫でしょう。
ただ、明らかにおりものの量が多く、匂いがきつい、悪臭を放つという場合は、膣内で炎症を起こしていたり、感染症になっている可能性があります。
この様な場合は病院での治療が必要になりますから、異常に気づいたら早めに婦人科を受診するようにしてくださいね。
婦人科系の病気はなかなか病院に行きづらいものですが、早期治療が早く完治させる一番の近道ですから、病院を受診してみてくださいね。