出産後、妊娠前に比べてオリモノの量が多いなと感じる人は、実は大勢います。
女性にとって、生理やオリモノの変化は、身体がどういう状態であるかを知るバロメーターになります。
では、オリモノが多いということは、一体身体がどういう状態であるということなのでしょうか。
体調不良?病気?放っておくとどうなるの?
さまざまな可能性が考えられるので、不安になる人もいるかもしれません。
今回は、オリモノの量やにおい、形から考えられる身体の状態についてまとめたいと思います。
産後の体調を知る手掛かりにしてみてくださいね。
産後、オリモノの量が多いし臭いが気になる!
産後、オリモノが多い、臭いが強い理由は?
出産を終えても、すぐに身体が妊娠前の状態に戻るわけではありません。
子宮の大きさや骨盤の開き具合もそうですが、ホルモンバランスが整うまでにも時間がかかります。
母乳を分泌するためにもホルモンの分泌量は変化しますし、疲労やストレスに影響されてホルモンバランスが乱れることもあります。
オリモノの分泌には、女性ホルモンであるエストロゲンが大きく関係しています。
ホルモンの分泌量が変化すれば、オリモノが多い、臭いが強いなどの変化が起こるのですね。
それに加えて、産後の身体はまだ回復途中です。
悪露が終わっても、子宮内はまだ不安定ですから、さまざまなものが混ざりあい、臭いが強くなることがあるのです。
ちょっと酸っぱいような臭いはオリモノが酸性であるためで、異常ではありません。
量が多い場合も、オリモノが透明や白っぽい色であれば異常ではないこと多いですよ。
オリモノの臭い対策
オリモノの臭いは、本人が気にしているほど周囲には分からないことが多いものです。
それでもやはり気にはなりますよね。
オリモノの臭いをおさえるためには、次の2つの方法が効果的です。
●下着やオリモノシートをこまめに替える。
●陰部を清潔に保つ。
オリモノが下着やオリモノシートについたまま放置していると、臭いが強くなります。
これは、オリモノの中の雑菌が繁殖するためです。
オリモノの臭いが気になる時は、下着やオリモノシートをこまめに交換して、雑菌の繁殖を防ぐことが重要です。
また、同じ理由で、陰部を洗って清潔に保つことも、臭いが強くなるのを防ぐために大事なポイントです。
ただし、石鹸の使用には注意が必要です。
清潔にしようと思って石鹸で洗いすぎると、身体を守るために必要な善玉菌まで洗い流してしまいます。
その結果、膣の自浄作用が低下して雑菌が繁殖しやすくなり、余計に臭いが強くなってしまうことがあります。
こんな時は要注意!
少し量が多い、妊娠前より臭いが強い程度なら心配はいりませんが、明らかに強い悪臭がしたり、オリモノシートでカバーできないくらいに量が多い場合は注意が必要です。
感染症にかかっている可能性があります。
特に、オリモノが多いだけでなく、色に変化がある場合は感染症の可能性が高くなります。
オリモノが黄色や黄緑色になり、陰部の痒みや痛み、下腹部痛、発熱など他の症状を伴う場合は、トリコモナス膣炎や淋病、クラミジアなどの可能性もあります。
性病の中には性交渉をしていなくても、お風呂やタオル、口を介して感染するものもあるので、異常を感じたら、我慢せずに病院を受診するようにしましょう。
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オリモノが多くてかたまりが出る!
オリモノが多い、臭いがする事の他に気になるのが、かたまりが出た場合ですよね。
体調不良?感染症?
どんな可能性あるのでそしょうか。
白っぽくてゼリー状のかたまりが出る場合
白っぽいゼリー状のかたまりが出る場合は、排卵の影響である可能性があります。
既に生理が戻っている場合は、前回の生理開始日から2週間前後の時期であれば、排卵が近づいている影響で、おりものが増え、形状が変化している可能性が高いでしょう。
まだ生理が戻っていない場合も、産後8か月頃までには生理が再開する女性が多いので(個人差が大きいですが)、他に痒みや痛みなどの症状がなければ、生理が再開するサインかもしれません。
しばらく様子をみても問題ないでしょう。
カッテージチーズのようなかたまりが出る場合
出てくるかたまりが白くてボソボソしていたり、カッテージチーズのような形であれば、カンジダ膣炎の可能性があります。
カンジダ膣炎は、カビの一種が繁殖することで炎症を起こす病気です。
外陰部の痒みがあったり赤くなっていたり、腫れているような症状が見られたら、カンジダ膣炎の可能性が高いでしょう。
カンジダ膣炎を起こすカビは、常に私たちの身体に存在している常在菌です。
普段は何ともないのですが、身体が弱っていたり、抗生物質を服用して常在菌のバランスが崩れたりすると、菌が繁殖して膣炎を起こしてしまうのです。
カンジダ膣炎かどうかは、病院で検査をすればすぐに分かります。
薬を服用したり、膣剤を使ったりすることで治療することができます。
以前もカンジダ膣炎になったことがある場合は、薬局で薬を購入して自分で対処することできますが、産後の体調が不安定な時期や、授乳中は病院で診察の上薬を処方してもらうことをおすすめします。
このほか、下着についたオリモノが、時間の経過により乾燥してかたまりに見えることもあります。
かたまりが出たこと以外にも、悪臭や陰部の痒み等の症状を伴う場合は病院を受診するようにしてくださいね。
まとめ
産後、オリモノの量が多いと感じるのは、産後の身体が回復途中で、ホルモンバランスが乱れていることが大きく影響しています。
妊娠前のオリモノよりも臭いが強くなったと感じる場合も同様です。
オリモノの色や陰部の痒み等の他の症状がなければしばらく様子をみても良いでしょう。
ただし、オリモノの量が異常に多い場合や多い状態が長く続く場合、臭いがあまりにきつい場合は感染症の可能性もあるので、早めに病院を受診するようにしましょう。
産後は赤ちゃんのお世話に忙しく、自分のことは後回しになりがちですが、デリケートゾーンのトラブルを放っておくと不妊などの大きなトラブルにつながることもあります。
早めの受診と治療を心掛けるようにしてくださいね!